善福寺川の樹木から学ぶ、国立市の緑を守るまちづくり

都市の緑をどう守り、次世代へ引き継いでいくのか?これは国立市にとっても大きなまちづくりのテーマです。
同じ課題に向き合う他自治体の現場から学ぶため、善福寺川の樹木の現地確認に足を運びました。

千葉大学名誉教授 藤井英二郎先生のもと善福寺川上流地下調節地建設予定の樹木を確認する会 第2弾に参加しました。先生のお話から見えてきたのは、現在の移植計画が「樹木を守る前提」に立っていないのではないか、という強い問題提起でした。

計画では機械による移植が中心とされていますが、重機で根を切断したまま移動する方法では樹木は徐々に弱り10年・100年先へと緑を引き継ぐことはできません。本来は1~2年かけた丁寧な根回しが必要であり、時間をかければ移植できる木まで「移植不可」と判断されている現状に強い疑問が示されました。

さらに印象的だったのは「根」の話です。樹木の根は、目に見える枝葉(樹冠)よりも1.5倍の範囲に広がるとされ、地上に見える以上に広い空間が必要になります。にもかかわらず、移植先のスペースは極めて限られ多くの樹木を受け入れる余地がない可能性も指摘されました。

今ある緑地は、周辺より気温を2~3℃下げ直射日光を遮ることで、路面温度を20℃下げるなど都市の命を守るインフラとして大きな役割を担っています。樹冠被覆率30%で熱中症死亡が約40%減るという研究がある一方、東京は9%から7%へと樹冠被覆率は減少している現状。

だからこそ「今ある緑は次世代に引き継ぐべき宝」という言葉が強く心に残りました。

地下50Mに及ぶ巨大工事は長期にわたる環境負荷や将来世代への維持負担も伴います。グレーインフラからグリーンインフラへ都市の在り方そのものが問われています。

3月に行われた第1弾の現地確認の会

現地には約60人が集まり、署名は2万筆に迫り、諦めず声を上げ続けていくことの大切さを改めて実感した現地確認となりました。

そして、この問題は決して他自治体の出来事ではありません。
国立市でも樹木や緑地の保全、道路や公共空間の整備など同じ問いに日々向き合っています。まちづくりは行政だけで決まるものではなく、市民の声や行動が確実に方向を動かします。
市民活動が議論を生み、政策を変え、未来の風景を守る。その積み重ねこそが持続可能なまちづくりの力です。「市民の声でまちは変えられる」ことを信じ、これからも現場に足を運び、声をつなげていきます。